多くの研究者や知識人、画家によって額縁は存在の意味や必要性、美的魅力を問われ続けてきたようです。でも、普通に絵画への関心といえば、絵画自体であり、額縁に興味を持つというのはあまりないと思います。額縁は必要だと思いますが、やっぱり添え物。その歴史を紐解こうというのも難しいものです。そもそも絵画を印刷物で紹介するとき額縁が無いのは、制作者が違うからということがあります。額縁というのは、絵ができてから後から付けるものです。その画家の意図や時代性を反映したものではありません。また、絵画を鑑賞するときに額縁はいらないということもあると思います。現代美術の展覧会では、額縁なしで展示していることもあります。キャンパスのまま、紙のままに展示しているのです。それもプレゼンテーションの戦略的な方法なのです。
