日本古来の建築様式の中では、襖絵が和室にとって独特な雰囲気を醸し出すポイントであったのかもしれません。現代家屋にいたっては、和室が1部屋もないといったようなご家庭もあるのではないでしょうか。
畳からフローリングお部屋が好まれている現代の日本社会において襖絵の存在は消滅しようとしております。日本人が海外の人々に比べて、額縁に入った絵画や写真を自宅に装飾する習慣がないのは、和室には襖絵の存在があったことがその要因の1つとしてあげられるかもしれません。
実際に現代の子どもたちに襖絵に関して質問してみると田舎暮らしのおじいちゃん、おばあちゃんの自宅でクレヨンで落書きをした思い出などがあがることもあるようです。
襖絵は日本人が和室空間を華やかに楽しむためであったと考えられますが、生活のスタイルが西洋式スタイルがメインとなる現代においては、襖絵を楽しむ人々の姿は減少傾向にあるようです。
襖絵の他にも日本国内の家屋からその姿が消えはじめているのは「床の間」であります。現代人は、床の間が何をするために存在するものかを知らない人たちが多いかもしれませんが、床の間には日本人の美意識が凝縮されているとも言われています。現代における日本人の生活環境の変化の背景には、私たちの日本人としての内面の変化を表しているのかもしれませんね。