現代を生きる画家たちにとっては、白内障や緑内障は病院での診察と場合によっては手術などの治療によって、致命的な病ではないかもしれませんが、歴史上過去の時代に活躍した画家たちにとっては、目に関する病は画家としての生命を脅かすものであったに違いありません。フランスを代表する画家であるクロード・モネは、日本びいきであることでも知られ、モネの作品に親しみを抱く日本人のファンも多いことでフランスから遠い日本国内においてもその名は幅広く知られております。皆さんも、1907年作・油彩「睡蓮」などをはじめとする、モネの水辺の作品をご存じであるのではないでしょうか。実は彼は、晩年、白内障を患っていたことも知られ視力が低下したのちにも数多くの作品を制作したことでも有名であるようです。皆さんがご存じである数多くの水辺の作品も彼が白内障を患ってからの作品であるかもしれません。現代を生きる皆さんにとって都市の生活空間のなかで実際に睡蓮を目にすることは貴重な体験であるかもしれません。現代の日本の都市部に暮らす人々の中には、生まれて初めてみた睡蓮が美術の教科書に掲載されていた額縁に入ったモネの作品であったという方も少なくないかもしれませんね。睡蓮は、水辺に咲く花ではあり、真夏の熱い時期に咲く姿を見ることのできる貴重なお花でもあります。時間帯によって花が開閉することでも知られ早朝から午前中にかけて花開き、午後になるとその花が閉じてしまう品種もあることから実際に開化している姿をみることは、ますます現代人にとってムズカシイ貴重な植物であるかもしれませんね。